スマホ写真とはこんなに違う!カメラを一度使ってみるべき3つの理由【徹底解説&比較】
スマホ写真とひと味違う、カメラ。
私がデジカメを選ぶシーンは、
- (カメラを理由に)フォトジェニックな場所へ旅したい時
- 家族の日々の記録と膨大な量の旅の記録
- 実家の犬と推しの記念を高画質で残す+方々へのお裾分け
- 自分の写真で年賀状や冊子(自費出版的な)の印刷
- instagramやVlogにも興味がある
…などありますが、せっかく写真ブログを始めたので「スマホにはないカメラの良いところ」を実例で解説する記事にしました。あくまで一般ユーザーの視点・初心者向けですが、実際に私が撮った写真とともにできるだけわかりやすくお伝えします。
これを見たら、カメラを買うのに渋い顔をする家族を説得する材料になるかもしれませんょ
このサイトで旅ブログを書いているしまくま🐻です
カメラの良さ1:美しい高画質
きっとみなさんの中には感覚的に「画質がいい/劣化してる」が見分けがつく方もいらっしゃると思います。上の2枚のヴィーナス像を拡大して見てみてください。いかがでしょう?
デジカメ・スマホの「画質」とは?
見る人の好み、デバイスの違い、サーバーの容量制限、印刷の有無、そしてもちろん撮影する環境でも基準が変わるので、デジカメとスマホのどちらが良いか悪いかを結論づけることはできません。
そこで、私が写真で意識している「画質」とは何かを言語化してみました。
- ガタガタモヤモヤが少ない
- 陰影などのグラデーションの滑らかさ
- 美味しそう(素材の質感や色)
- 特にふんわりした光の表現力
- 明暗部のディテール(白飛び、黒潰れ)
- ボケみ、立体感、遠近感
- 歪みがすくない
- トリミング・拡大しても劣化しない
- 印刷に耐えられるデータの圧縮力
これらをまとめて判断しています。
2枚のヴィーナスについて解説
2枚とも撮影時のままで明るさや色味の補正をしていませんが、ガタガタ・モヤモヤ、大胸筋あたりの石の質感、鼻筋〜頬のハイライトの滑らかさや陰(シェード)の溶け込み方、背景と彫刻の関係性などに注目すると、左のデジカメで撮ったヴィーナスが好きです。ミロのヴィーナスは彫刻ですが、硬い大理石とは思えない柔らかそうな皮膚というか肉付きを目の前でみた時に感じたのでそれに近いのは左の写真かなーと個人的には思うのです。展示会場は窓が大きくて外からの光がたっぷり入ります。その自然光ならではのやわらかさや陰影の美しさも好きです。
画質の差の要因は?
ひとつはイメージセンサーという部品の大きさ。アナログカメラでいうフィルムみたいな役目です。
iPhoneのイメージセンサーは公式に発表されていませんが、私が以前調べた時は「1/1.35型」と噂されていました。上のイラストでいうと「1/1.7型」と「1型」の間の大きさです。10万円前後の初級〜中堅のデジカメのイメージセンサーは上図のAPS-Cのサイズが主流になっていてます。
このイメージセンサーは画素(※)と呼ばれる粒の集合でできています。このひと粒ひと粒が光を取り込んで画像を作るので、粒の数や大きさが画質に影響すると考えられます。つまりセンサーが大きいデジカメの方が有利です。
画素数の多さ=画質ではない
ここで注意したいのは「画素数」です。例えば、スマホやカメラのスペックで「1200万画素」とか「4800万画素」と聞いたことがありますか?これは撮影データの画素数(※)を表しています。最近のスマホやデジカメの機種はみんな画素数が多いので画質の優劣に昔ほど影響はありません。
先ほどの2つのミロのヴィーナスの写真をみてもらうと画像の下の方に画素数を書きましたが、画素数(ピクセル数)だけで見ると大差ないのが一目瞭然です。
もうひとつの要因は「圧縮」
デジカメもiPhone(Proのみ)も、撮影前の設定で「RAW(ロウ)」か「JPEG(JPG、ジェイペグ)」が選べます。RAWとは日本語で「生(なま)」の状態を意味していてフィルム写真でいうところの「現像前」というニュアンスで言われています。
RAW | JPEG | |
---|---|---|
データ容量 | 大きい | 小さい |
画質 | 可逆式、未加工、非圧縮のため本来の品質のまま | 非可逆式圧縮でデータの一部が失われ荒い画質となる |
編集と共有 | 編集用ソフトが必要 | このままで共有可能 |
表現色数 | RGB各12ビット 約6870万色 | RGB各8ビット 約1670万色 |
メリット | ・非圧縮で高画質 ・後から調整可能 | ・軽い ・編集が不要 |
デメリット | ・時間がかかる ・保存容量が必要 | 画質の劣化(編集しても劣化は元に戻らない) |
カメラの良さ2:手に馴染む操作性
カメラのフォルムは握った時の安定感・ボタンの配置は撮影時のスムーズで間違いのない操作、とそれぞれが理にかなった設計です。カメラはピントを合わせる以外に、シャッタースピード、F値、露出、感度、ホワイトバランスなどの設定をすると作家性の高いクリエイティブな写真が撮れます。つまり、カメラにたくさん付いているボタンはそれらの設定が間違いなく操作できるためにあるのです。
スマホはもともと直観的に操作できるメリットがありましたが、iPhone16シリーズがついにシャッターボタンを物理的にボディの外側に配置することになったように、撮影の手の構え方を考えると(人間工学的に?)物理的なボタンが必要になったと考えられます。
一度、家電量販店などでカメラを手に持って構えてみてください!「撮りたい」ってモチベーションが上がるのを感じられると思います。これは、しまくま🐻の個人的な感想というより、カメラユーザーの誰もが同じことを言うと思います
\まずはカメラを見てみる!/
カメラの良さ3:カメラ本来の性能
いくつかありますが、ここでは「ボケ」について解説します。英語でも「bokeh(ボケ)」って言います。私がもっとも重要視しているポイントです。
例えば、絵の勉強をしていると「手前・中・奥」という構図を叩き込まれます。この写真はその構図をわかりやすく撮ったもので、色で領域を分けるとこうなります(↓)。
一番見せたい『中』にピントを合わせると手前・奥はぼやけます。このぼやぼやしているのが「ボケ」です。日本語のまんまですね!ボケはレンズによって生み出される効果です。F値と呼ばれるレンズの絞り=光の通る穴を開けたり閉じたりすることでピントの合う範囲が変わります。スマホだとこれがなかなか設定がうまくいかないんです。iPhone15ProMaxを1年使い続けていますがいまだにiPhoneのF値を瞬時に設定できません。シャッターチャンスを逃しますわ。
ボケを作ると写真がグっとよくなる。
その理由は、写真の中で見せたいものがハッキリするから。ピントが合わせにくくなるというデメリットとの紙一重ですが、それだけ写真と向き合うことにもなるので自ずと「ココが狙い!」という意識が手や目に働きかけるのかもしれません。
このパンケーキの写真はどちらも奥の椅子はボケてますが、全体的に左の写真の方がボケの深みがあります。お皿や生クリームの手前と奥でボケ具合に違いが…これが自然なボケのグラデーションというんですかね、立体感を生み出しています。iPhoneのボケみ具合も悪くはないのですが、デジカメと比較するとちょっと不自然かな?と感じます。お皿の後ろにあるカゴあたりにも注目してみてください。
冒頭のミロのヴィーナスも、彫刻と背景の関係性に注目すると、遠近感が出ていたのがわかると思います。
実は、iPhoneでも意図的にボケを作ったり後からボケを追加することもできるといえばできます。アップル公式でもそれを謳ってますし、私もトライしたことがあります。
iPhoneのこのボケみはデジタル加工によるものなのでちょっと不自然になることもあります。例えば上のプリンアラモードの写真、お皿の下部分が不自然に切り取られてしまっていて宙に浮いちゃってます。
デジタル加工のボケって何?
「ミニチュア・ジオラマ風加工」でチルトシフトという加工がありますが、それが写真の一部を後処理でボケさせる方法です。これがデジタル加工によるぼかしです。
iPhoneのボケはこれと同じデジタル加工によるもの。カメラの場合はレンズそのモノの構造によって自然に発生するものなので、両者を比較するとデジタル加工の方は意図しないところがボケたり切り抜きかれたりして「あ〜ボカし処理してるな」って感じがすると思います。
でも正直、ここまで後加工できるのはすごい技術だな〜って感心しちゃいます。あとはこの設定がもっっっっと簡単に行えたら良いですが残念ですね…このボケ処理は「ポートレート」というモードで撮影した時だけしか使えません。
ボケの扱いが上手くなると、カメラが上手になった気がしてくるのです。不思議!
\しまくまがいつも使うカメラはここ/
画像を「表示する側」はどうかな?
画面のこと!
ここからは画像を表示する側・見る側のお話です。
つまり、画面(ディスプレイ、モニター)のこと。
スマホ、パソコン、テレビなどのディスプレイは毎年のように画面解像度が上がっていて、写真も映像も綺麗に見えます。下の表はiPhoneを例に比較したものです。初代と比べてどんどん画面の描画が細かくなっています。
iPhoneシリーズ | 初代3G | iPhone4 | 15ProMax | 16ProMax |
---|---|---|---|---|
画面サイズ (対角線の長さ) | 3.5インチ | 3.5インチ | 6.7インチ | 6.9インチ |
論理サイズ | 320:480px | 320:480px | 430:932px | 440:956px |
横:縦のピクセル数 (液晶の画素数) | 320:480px (約15万画素) | 640:960px (約61万画素) | 1,290:2,796px (約360万画素) | 1,320:2,868px (約378万画素) |
画面解像度(1インチ当たりのピクセル数) | 163ppi | 326ppi | 460ppi | 460ppi |
表の中で「画面サイズ」「論理サイズ」「ピクセル数」「画素数」「画面解像度」と言い方を変えていますが、これらは全部同じ、液晶サイズを示していて、それぞれ使う場面が違うというだけです。
例えば、WEBデザインや動画編集では下図のようにそれぞれのサイズ表記をしています。
px(ピクセル)って何?
ディスプレイはたくさんの細かい粒で出来ています。その粒のことをピクセルと呼びます。画素とも言うので、「画素=『ピクセル』を日本語で言ってるんだ」と、頭の中で置き換えてます。
「横にいくつ:縦にいくつ」と並んでいる数で画面のピクセル数を示します。
WEBデザインや動画編集ではピクセル数で言う必要があるんですね。画面に定規を置いて「え〜っと幅が7.2cm?」とは測らない。
液晶の描画が細かいってどういうこと?
初代iPhoneとiPhone4を比較するとピクセル数が横に2倍:縦にも2倍:画面全体で約4倍になっています。土台は同じ「3.5インチ」なのに。つまり、ピクセルという粒を小さくしてむぎゅむぎゅっと詰め込んだってことですね。
画面全部のピクセルの合計を「画素数」と言います。
横ピクセル×縦ピクセル=画素数
例えば、320×480=153,600(約15万画素)という計算になります。
iPhone4以降の高解像度画面をアップルでは「Retinaディスプレイ」と呼びます。さらに、iPhone11Pro以降はもっと細かい「Super Retina XDRディスプレイ」という超高解像度になりました。
では、画素数と画面解像度は何が違うの?
「解像度」もよく聞くけど、「画面の解像度」という時は、上で説明している液晶のピクセス数(液晶の画素数)と同じ意味です。先ほどのiPhone同士の比較でいうと初代よりiPhone4の方が画素数が多い=画面の解像度が高いと言い換えることができます。
ただし、解像度は解像度でも「印刷で使う解像度」は違います。混同するので印刷の解説は後日にします。
画面の解像度はppiという単位で表記されますが、計算がめんどくさい。
フルHDとか4Kってなに?
画素数によって名称が決められています。テレビの規格とかパソコンのサイズを言う時に家電量販店とかで見聞きしますね。代表的なものを並べてみました。
- HVGA(Half VGA)480×320px
- WXGA(Wide XGA)1,280×768px
- FHD(フルHD)1,920×1,080px
- 4K UltraHD 3,840×2,160px
- 8K UltraHD 7,680×4,320px
ここまでは画像を見る側のお話でした。
画素数が多いと劣化する?
再び、画像を作る側のお話。
作る側でも「画素数」が出てきましたね。
先ほどのイメージセンサー。この中に画素がいっぱいつまっているお話をしましたが、センサーサイズが同じで画素数が多いとどうなるでしょうか?
つまり、センサーの大きさがそのままで画素数(ピクセル数)が多くなるとひと粒ひと粒が小さくなり、それが劣化の原因となります。適切なセンサーサイズと画素数のバランスが大事と言うことですね。
百聞は一見にしかず!カメラ体験のススメ
私はスマホにもカメラにもあまりお金をかけません。もともと沼らない性格(=凝り性ではない)あるいは飽き性なのかもしれませんが…。
高い機材を買い揃えるよりもいろんなカメラをちょっとずつ試してみたいので、カメラはいつもレンタルにしてます。
\まさに「失敗する前に」が有益!/
今日の解説は、以上です。思ったより長くなっちゃってすみません
アップデート情報
- 2024/11/20 初回投稿
- 2024/11/21 Fujifilmの補足、チルトシフト補足、ヴィーナス全身像、他数点の写真を追加。
補足:ヴィーナスがちょっと面長に写ってるのはレンズの歪みのせいです。
後日、アップデート情報があるかもしれません!
それまでは、他にもカメラとスマホの作例比較しているのでよければのぞいてみてください↓